最高裁判所第二小法廷 昭和29年(あ)4156号 決定
本籍
東京都杉並区成宗一丁目一一三番地
住居
佐世保市汐見町二二九番地
建設業
鈴木栄二
明治四三年八月一四日生
本籍
長崎県北松浦郡柚木村相当免七〇六番地
住居
長崎市諏訪町三三番地
建設業
山口朝一
明治四〇年一二月一日生
本籍並びに住居
長崎市国分町一八番地
建設業
池田卯次郎
明治二九年三月二〇日生
本籍
富山県西蠣波郡石動町今石動七九番地
住居
田川市東区東町二八五番地
会社員
奥田敏夫
大正六年一月二日生
本籍
島原市乙五五七番地
住居
長崎市新橋町五〇番地
会社役員
宮田豊
大正一〇年一月二八日生
右各談合入札被告事件について昭和二九年一一月二五日福岡高等裁判所の言渡した判決に対し各被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件各上告を棄却する。
理由
弁護人高良一男の上告趣意について
所論は、要するに、被告人等は「不正の利益を得る目的を以て談合したる者」にあたらないという事実誤認、法令違反を主張するにあつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
しかして、第一審の確定した事実によれば、公の入札において指名競争入札者たる被告人等が入札の施行に先立つて落札者を予め協定することゝし俗に「出し競」と称する方法で談合金の額を競り合い最高額(四八万三〇〇〇円落札予定額の二が適法に認定した事実関係の下において本件被告人らの所為は正当防衛ないし緊急避難の要件としての急迫性を欠きやむことを得ずして行われたものとはなし難いとの判断は正当と認める)、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとり判決する。
(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)